CBDとは?カンナビジオール商品を購入する前に知っておくべき全知識
CBDの生理的なバランスを整えてくれる効果は有名ですが、そのメカニズムや副作用、製造過程についてはあまりよく知られていません。本サイトでは、自分の体に合った安全なCBD製品を見つけるために必要な予備知識をご紹介します。
カンナビジオール「CBD」の定義
カンナビジオール「CBD」は、大麻草の中に含まれる100種類を超える天然の化合物の中で、最も強力な治療効果を持つ成分の事です。同等に高い治療効果を持つ成分として、植物性カンナビノイドの一種であるテトラヒドロカンナビノール「THC」がありますが、これには陶酔作用、いわゆる「ハイ」になる効果や依存性があるため、現在日本では規制されています。しかし、CBDにはそういった治癒や健康維持とは無関係の副作用が極めて少ないため、安全な天然の万能薬として大きな注目を集め、盛んな研究が行われるようになりました。
カンナビノイドとは?
カンナビノイドとは、大麻草に含まれる60種類以上の化合物の総称で、人間や全ての哺乳類の心と体のバランスを司る、「エンドカンナビノイド・システム」が正常に働く助けをしてくれます。人や動物の体内には、CB1、CB2と呼ばれるカンナビノイド受容体があり、神経伝達物質であるカンナビノイドがこれらに結合する事で、痛みや不安の軽減、抗炎症作用、老化防止、免疫調整、運動機能向上など、あらゆる身体機能の調節と改善を行います。
アントラージュ効果とは?
大麻草から抽出される植物性カンナビノイドのそれぞれの役割は、体内に存在している「内因性カンナビノイド」と同じ働きをするものや、内因性カンナビノイドの寿命を伸ばしたりするものなど多岐にわたります。それらが複雑に絡み合い、アンサンブルのような相乗効果を生み出す事を、「アントラージュ効果」と呼びます。CBD製品は通常、CBDのみ抽出して作られたCBDアイソレート、THCが除去されたブロードスペクトラムCBD、THCを含む全ての抽出成分を含むフルスペクトラムCBDに分かれますが、ブロードスペクトラムCBDとフルスペクトラムCBDは、このアントラージュ効果が期待出来るCBD製品と言っていいでしょう。
CBDとTHCは何が違う?
どちらも非常に有効な医療効果を持つ植物性カンナビノイドとして知られていますが、前の項目でも触れたように、THCには劇的な精神活性作用や依存性が確認されています。それに付随して、催眠効果や記憶障害などの副作用も現れるため、日本を含む一部の国や地域では使用が規制されています。一方で、CBDにはこういったネガティヴな作用がなく安全性も認められているので、日本でも合法となっており広く普及が進んでいます。
CBDはどのようにして体に作用する?
CBDが体に作用するメカニズムを知るには、まずエンドカンナビノイド・システムについて理解する必要があります。私たちの体にはエンドカンナビノイド・システムという心と身体のバランスを調節する機構が備わっており、脳、脊髄、免疫系、内臓、末梢神経系、そして皮膚などあらゆる体の部位にあるカンナビノイド受容体と呼ばれる物質が、内因性カンナビノイドであるアナンダミドなどの神経伝達物質と結合する事で、無数の生理的プロセスの調節が行われます。CBDはこの内因性カンナビノイドの寿命を引き延ばす力があり、それによってエンドカンナビノイド・システム自体の機能不全を解消します。
また、CBDはセロトニンやアデノシンなどの受容体と結合することで、鎮痛、抗炎症、ストレス軽減、抑うつ作用などの効果をもたらします。
どんな効果が得られるの?
CBDが身体と心にもたらす効果は数限りなくありますが、代表的なものでは抑うつ作用、不安の軽減、ストレス緩和、不眠改善、痛みの調節などがあります。また、摂取の方法を変える事で違った治癒効果も期待できます。例えば、クリーム状の製品を肌に使用すれば、健全な皮膚の再生と保護機能の維持に役立ち、吸引摂取が出来るリキッドを使用すれば、パニック障害などで急な発作が起きた際に急速に気持ちを和らげてくれます。
CBDがもたらす副作用は?
CBDは、従来の医薬品や同じ植物性カンナビノイドのTHCと比べて副作用が極めて少なく、あったとしても非常に軽度で済むという研究報告があります。一日に1500mgを数週間摂取し続けても目立った副作用が見られなかったという実験結果もありますから、この点では非常に安全な物質だと言えます。ただ、CBDオイル市場はまだ新しく、中には劣悪な環境での製造により不純物やアレルギー成分が含まれてしまっているCBD製品もありますので、その不純物による副作用には警戒が必要かもしれません。
CBDはどのようにして抽出される?
CBDを抽出する方法は様々で、その方法によって安全性、効率、濃度などが大きく変わります。ここでは現在最も一般的な抽出方法を2つご紹介いたします。
まず一つ目は「CO2抽出」です。この方法では、高圧力と超低温の環境の下、純度を損なわずに分離する事ができます。安全性が高く、低温での抽出によりカンナビノイドを極力失わず抽出できるため、多くのCBDブランドがこの方法を採用しています。
もう一つは、「アルコール抽出」です。低コストな抽出方法として知られており、安価なCBD製品の多くがこの抽出方法によって製造されています。麻をアルコールに浸して、抽出成分を含む溶液を濾過した後蒸留によりアルコールを除去します。この方法では抽出物に微量なアルコールが残ってしまい、不純物も多く含まれてしまうため、低コストな分クオリティも低いCBDの抽出方法とされています。
CBD製品それぞれの持つ特徴と違いは?
CBD製品はその成分の違いによって主に3種類に分けられます。大麻草は60種類を超える植物性カンナビノイドに加え、ミネラルやテルペン、フラボノイドなどの健康にいいとされる100種類以上の物質を含んでいるとされ、その成分を出来るだけそのままオイルに凝縮したものから、最も有益で健康面で安全性の高い成分のみを分離したものまで様々です。それぞれにどういった効果があるのかをここでは紹介していきます。
フルスペクトラムCBD
フルスペクトラムCBDは、麻に含まれる全種類の植物性カンナビノイド、テルペン、ビタミン、ミネラル、脂肪酸、フラボノイドなどのその他の全ての抽出成分を含んだCBD製品の事を指します。このCBD製品のメリットは、それぞれの成分が相乗効果で高い治療効果を発揮する「アントラージュ効果」を得られる事です。また、そのために摂取した際の体感性が高い事から、CBD単体の製品よりもフルスペクトラムCBDを好むユーザーは増えています。しかしながら、フルスペクトラムCBDはその他のCBD製品よりも製造にかかる工程が少なく大量生産がしやすいので、質の低い製品には十分注意が必要です。
ブロードスペクトラムCBD
ブロードスペクトラムCBDは、フルスペクトラムCBDの中から麻薬的な効果を持つテトラカンナビノール(THC)を100%除去したCBD製品の事です。THC以外の成分をどれくらい含んでいるかはCBDブランドによってそれぞれですが、少なくとも一つ以上含んでいれば、それはブロードスペクトラムCBDと表記される事になっています。この関係上、効果はどのCBD以外の成分をどれだけ含んでいるかによって変わってしまうため、期待される効能をはっきりと紹介する事ができないのですが、フルスペクトラムCBD同様、アントラージュ効果はある程度期待できるでしょう。また、抗酸化作用やアンチエイジング、ガン抑制などの効果を持つフラボノイドが含まれる場合には、その高い治癒効果の恩恵も受けられる非常に優れたCBD製品です。
アイソレートCBD
アイソレートCBDは、大麻草の成分からCBDのみを分離し抽出したCBD製品です。これまでの2タイプのCBDに比べ、はるかに製造工程が複雑で生産コストが高いですが、その分成分にムラが生じにくく安全性が高いCBD製品です。純度が99%にものぼるため、味や匂いがほとんどなく摂取がしやすいのが特徴です。アントラージュ効果を生むフルスペクトラムCBDのような体感性は少ないですが、使用目的がはっきりしている場合や、副作用をなるべく抑えたい場合には最適な選択肢と言えます。
まとめ】医療大麻とCBDは何が違うの?
近年、大麻の持つ治療効果への期待が高まり、医療目的で使用される大麻の事を「医療大麻」と呼んで治療に役立てる動きが盛んになりました。欧米やアジア諸国の多くの国ではすでに医療用大麻の使用を許可しており、大麻の抽出成分である植物性カンナビノイドを主成分とした医薬品も開発が進んでいます。CBDと医療大麻の成分的な違いだけでいうと、CBDはカンナビジオールという大麻草の抽出成分の一つを指す言葉であるのに対し、医療大麻は、医療目的で利用されるならどの抽出成分を含んでいても医療大麻と表現されますので、場合によっては麻薬的な陶酔作用を持つTHCが含まれる可能性もあります。CBDは大麻草から抽出されたものの安全かつ治療効果が高いという特徴から、健康食品というカテゴリーで大きな注目を浴びるようになりました。
CBDはドラッグ?
大麻は違法なドラッグとして禁止されてきた過去があります。そのためCBDは大麻由来だから麻薬と同じ、といったレッテルが未だに拭い去る事ができていない現状があります。 ところが、2018年に大麻由来のCBDが、抗てんかん薬として米FDAの認可を得たというニュースが発表された時、多くの人がその認識が間違っていた事を知りました。この他にも様々なCBDの医療効果を証明する研究が行われ、現在では安全な天然の万能薬としての地位を確立しつつあります。
CBDの正しい用量・用法は?
各国の研究機関や多くの大手CBDブランドが推奨するCBDの適切な用量は、平均して一日15mg前後になっています。しかしながら、CBDはそもそも、西洋医学で用いられる医薬品のような体に負担のかかるレベルの強烈な効力はなく、むしろ体を生き生きとさせる事で治療効果をねらうものなので、多めに摂取しても体調を害する心配が極めて少ないと言われています。
CBDを海外旅行に携帯する事はできる?
常用しているCBDを海外旅行でも持っていきたい場合、もしくは海外旅行先でCBDを購入して日本に帰る時は注意が必要です。まず、前提として日本ではTHCが少しでも含まれている場合、または含まれていないと表記されていてもその製品が大麻の穂、葉、根から抽出されたCBDは麻薬とみなされ使用する事が認められません。ですので、現地で購入する際はそういった法律に反していないか必ず調べる必要があります。また、持ち込む場合も旅行先での大麻規制に準拠していないか事前に確認する必要があるでしょう。
CBDはペットにも使用出来る?
大手のCBDブランドの中にはペット向けのCBDを販売しているところがあります。動物に大麻?と眉をひそめる人もいるかもしれませんが、実はCBDが作用する機構であるエンドカンナビノイド・システムは人間だけでなく、哺乳類を含めたあらゆる動物に備わっており、すなわち犬や猫もその高い治癒効果の恩恵を受ける事ができるという事です。